品貧生活研究所

目標︰2023年3月末、街中に古本屋開業。小ナリワイ実戦研究中。汐入連合体育振興会副会長。横須賀市(神奈川県)⇔旭市(千葉県)の二拠点生活中。

手を振る文化

どうも。

「手を振る」ことについて書きたいと思います。たぶん、皆さんも見たことのある光景だと思います。

【バス】

バスが街を走っています。横須賀でも銀座でも、街には観光バスが走っています。日帰り旅行の日本人や、団体旅行の外国人の方々が乗っています。

子供が歩いています。3歳くらいの、歩けるけれど、一人で歩くには、見ていて心配になるような、子供です。その傍らには保護者がピタリとくっ付いています。個人的な統計ですが、それは祖母である場合が多いように感じられます。また、子供と大人のペア、二人きりであることが殆どです。

彼女らは歩道で止まり、保護者は腰をかがめて、子供は立ったままに、車道へ手を振っています。

見ていると、彼女たちはどうやら、比率として、小さな車よりも、大きな車に向かって(それは観光バスであることが多いのですが)手を振っていることが多いです。

彼女たちは楽しそうに手を振っています。明るい笑顔で、はっきりと手を振ります。しかし、それに気づく乗客は、ほとんどいません。観光バスの乗客が50人だとすると、良くて一人です。誰一人気づかないこともあります。しかも、たとえ気づいたとしても、無反応であることも多々あります。

目線は送るけれどそれまで。手は、振らない。

でもそんなことなんて、気にしていないように、手彼女たちは手を振り続けます。もしかしたら、手を振り返されることは、彼女たらの目的ではないのかもしれません。そもそも、何が目的なのか、一度聞いてみたいです。

手を振る光景は、以下にも書きますが、様々な場所で見受けられます。個人的に1番好きな光景を最初に持ってきました。美しいかどうかは個人の判断ですが、僕は路上の、この光景が好きです。街であればあるほどに、都心であればあるほど、その輝きは個人的に、増します。

【船】

フェリーの縁に立ち、離れて行く港に目をやると、浜辺から手を振っている人々が見えます。大きなジェスチャーで、遠くからでも、その元気な様子が分かります。それは、子供たちであることが、多いです。

僕が最近見たのは、少し大きな子供たち(高校生くらい)の、複数のまとまり(7,8名)であります。

1番元気な男の子が張り切って手を振り(ダンスのように動く)、傍らにいる女の子や男の子たちもまた、まるでJrのように(バックダンサー)、手を振ります。仕方なく付き合っているような、嫌な感じの無い、自然な手と腕の揺れです。その揺れは、天気の良い日の、穏やかな波のように優しいく映ります。

僕は一人で、船上よりその光景を眺めていました。周りの家族釣れやカップルもまた、遠くに見える同じ光景を目にしていました。皆、笑顔で、手を握り合い、海と浜辺を代わる代わるに見ています。僕もそうです。十数名の人々がいるデッキに、心地良い時が流れます。

ただ、僕を含めて誰も、手を振り返す人はいません。身勝手な感情ですが、周りの人々を非難したい気持ちが少しだけ、僕の心に沸きます。誰かが、彼らに手を振り返さなくてはいけないのではないか、と。我々には返答の義務があるのではないか、と。

そんな風に思ってしまう自分を僕はちょっと恥入ります。そして、誰かが横にいてくれたら、僕は喜んで手を振るだろうと、自分に言い訳をしました。

気づくと、彼らはただの点になっていました。彼らにとっても我々は同じように点になっているはずです。

【電車】

田舎の田園風景には手を降る、これまた、祖母と子供が似合います。これが一番ポピュラーなパターンだと思います。窓側に座り、彼女たちが見えなくなるまで、ただ、見ています。僕ではない誰かが、きっと手を振り返しているはずです。

【スシロー】

回転寿司のテーブルの柵の向こうに、子供が見えます。5歳位の男の子です。男の子のお母さんは僕に背を向けていて、どんな顔をしているかは、分かりません。お母さんが注文パネルに夢中な瞬間と、親方(僕はだいたい親方とスシローに来る)のパネル操作が重なる瞬間に僕は、男の子に手を振ります。ほんの、2,3秒のことです。お母さんも親方も店員さんも、気づかないくらいに、大人しく手を振ります。男の子は、驚いて目を見開くばかりです。手は返ってきません。その後何度か僕らは眼を合わせ、ガンつけ合います。手は、出ませんが。

男の子と、そのお母さんが先に帰ります。帰り際、男の子は小さな声で、「またね」と、僕に手を振ってくれました。「また」と、僕も手を挙げます。

きっと、誰もそのことに気づいていない。

たぶん、僕はこういった類のことが好きなのだと思います。どう言ったら良いか分からないけれど。

【再び路上】

街中の、お母さんは大変だと思います。子供が、なかなか、付いてきてくれない。その場にしゃがみ込んで動かない。そんな光景を見ます。

「バイバイ👋」

お母さんは子供に手を振ります。

子供は泣いています。
お母さんは大人だから泣かないけど、困っていて、怒っています。

本当は一緒に泣きたいのかもしれません。

見ている僕は、何とも言えない気持ちになります。

【番外編】

アンタッチャブルという漫才コンビが、(かつて)居ました。拍手の中をステージに出てゆき、お客様に対して白い服の方が言います。

「皆様の細胞をいただきありがとうごさいます」

的な。

拍手をすると、掌の細胞が死んでいる、と。
面白いなぁと思いました。

また👋