品貧生活研究所

目標︰アルバイト卒業/症状︰ASD,ADHD,AC and more.【1L2CK.YOKOSUKA】(イベント・レンタルスペース)/毎月第三土曜日【贈与喫茶Mr.エレファント】(無料カフェ)/毎月最終土曜日【哲学カフェ横須賀】/【なんでもやっとうと?】(便利屋)→「あなたの小銭が必要です」

190505

『ござ』

少しズレている。柱や床や壁が。少しづつ、何かがおかしい。数値に狂いがある。例えば、水平器を置いてみれば、確かに分かる。目に見えて水泡が偏る。後ろに回れば、ああ、ここかと分かる。床に潜れば原因が分かる。建っているのが不思議なくらいと、言う二級者はいた。ズレてる方が良いというのは、一級者だ。そのままで、良いのか、どこまで手を入れるべきか、手を差し伸べたいか、問うその時間が、僕は好きだ。

貰った陶器にヒビを見つける。まだ保たれているそれには、確かに亀裂が見える。そのままでもやっていける。だが、そういうものを僕はまだ許せていないのか、えいやと、ズレを作り出す。割く力を腕に込める。その刹那、ざっくりといってしまった。やっちまったと、思った時にはもう遅い。久し振りのざっくりだった。

腕を心臓より高く掲げ、平気な手で煙草を吸う。煙草を肺に取り込む瞬間が僕は好きだ。自ら駄目になることの、許される特別な時間だから。その瞬間だけは痛みを忘れられる。

30分、誰かに助けを乞うように腕を掲げた。勿論助けは来ない。やはり、ざっくりはなかなかにしぶとい。小さな心臓がそこにくっつく。嫌な感じだ。でも、この家には絆創膏ひとつない。いくら軽く薄くものでも、それがひとつとして、あるものならば、またそれが不要物であるなら、僕はそれを所有しない。それらの集積が僕を未曾有の混乱の世界に連れて行くことを僕は知っているから。血は止まらない。どうしたもんかいのう。山を降りるのは面倒だ。そもそもまだ僕はパジャマだ。サーモンピンクのシルク。なかなかに気に入っている、ひとつだ。思案の選択肢はそもそも片手で足りるし、最善の策をもう僕は、ざっくりいった瞬間から知っていた。知っていたけど、迷う時間が30分なのだ。こんなことを繰り返していると、時は過ぎ去るのみであると、自分に声を掛け、ジャンパーを肩に掛け、つっかけて外に出る。大丈夫な手に実家より貰った和菓子を二袋握り。

・隣のおばあさんに絆創膏を貰った。
・その10分後、ござを貰った。

その「ござ」が以下。

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内情には目をつむり、表面処理