汐入谷戸品貧(ヒンヒン)生活研究所

神奈川県横須賀市汐入町の谷戸(自動車の入れない階段を200段登る)における、「品」と「貧」の共存を目指す生活を研究し、その成果を報告する在野機関。研究所にカフェの併設を目論む。

中2病

「やっぱり自意識に関する文章が多いからじゃないですか?」

*1

 

世間では、吉澤さんの話題が流行ってますから、ちょうどよかった。

 

中学生の頃、モーニング娘が流行ってて、ブロマイドとかポスターとか買いに行ってたのです。皆で。A君のお気に入りは津慈だ。B君は籠のファンだ。C君はエースの五島が推しメン(そんな言葉は無かった)だ。僕ですか?僕は、やっぱり僕なので、個性的な僕はみんなと一緒は、唾棄すべき状態なんでやんす。僕は会話の語尾に、当時流行ってたベースボールゲームのキャラクターの口調をオマージュして1年間生活してたくらいで、やんすから。「女に興味を持つ奴は、九州男児じゃないでやんす・・・」。

 

日本では、ゲバラに傾倒する若者やゲバラのポスターを部屋に貼っている若者が「中2病」と揶揄されることがある。

*2

 

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当時、この髭のオヤジが何の人か(今も、はたしてどう凄い人なのかは知らないが)、名前も知らなったが、僕は中2の頃から、「中2病」のセンスが抜群だったようで、モーニング娘のポスターを買う同級生をよそ目に、一人、チェのポスターを買っていたのです。そして、壁ではなく、なぜか床に貼って、毎日このカリスマの肖像を踏み絵にしていた、何か、今の自分を暗示する倒錯感を、過去解釈として思い出しました。革命家に憧れながらも、本能的に踏みにじりたい、「ユダ」体質があったのでしょうか。

 

「賞と権威」

革命家に憧れる、正確に言えば革命家の「顔」、「目」に憧れる一方で、賞と権威に弱い。「〇〇賞、✖✖大学、△△ブランド」、に影響を受けやすい。

 

左足は体制に右足は反体制に。

常にステップ軽やかに。

左・右・左・右。

場所とメンツをわきまえて。

優勢な方に重心移動。

どっちつかずは生き物の。

生存本能。

巾着片手にくっついて、

皆と行く行く店に行く。

だけど、「娘」は買わないよ。

腰抜けか、吝嗇か。

(そうやって、みんなを、バカにしてるんだろう?)

いや。

「お前はコウモリだ」

 

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭 感想

著書がキューバへ行った旅行記。

1年前に出た本だが未読であった。

でも、斎藤茂太賞を取ったから、読んだ。

賞を取ったから、それなりに面白いでしょうよ。

 

けちかな?

 

ショーと犬意

 

これは、本を読むときにいつも思う事なのだが、著者のことを、

「こいつは本を書いている」

「こいつはオレより上のニンゲンだ」

「こいつはオレより金を持っている」

「こいつは成功者だ」

「こいつには、オレは、見えない」

と、見てしまう、

「クソみたいな僻み根性」

と、

「クソへの憧れ」

 

新自由主義

*「新自由主義」とは・・・政府の積極的な民間介入に反対するとともに、古典的なレッセ‐フェール(自由放任主義)をも排除し、資本主義下の自由競争秩序を重んじる立場および考え方。(『大辞林 第三版』より)*4

 

若林さん(以下若様)は、生きづらさの人である。

そして、それを武器に「大成功」した革命家である。

 

みんなが友達で、みんなが競争相手。

友達の成功。

友達としては嬉しいけど、競争相手としては悔しい。*5

 

若様は、自分の心を汚れていると思っている・・・

(訂正:「若様」改め以下より若林)

若林は家庭教師をつけてまで、知りたいのだ、世界を、社会を、自分を。

 

ぼくは20代の頃の悩みを宇宙や生命の根源に関わる悩みだと思っていた。それはどうやら違ったようだ。人間が作ったシステムの、一枠組みの中での悩みにすぎなかったのだ。

「ちょっと待って、新自由主義に向いてる奴って、競争に勝ちまくって金を稼ぎまくりたい奴だけだよね?」

 

カフェを出て家庭教師と別れた後、ぼくは走り出したい気分だった。

「やった、やった、やった!宇宙や生命や神様の思し召しじゃなかった!」

「新自由主義の思し召しだった!」

「このシステムの中で、向いている性格が限定されていた!」

(5行中略)

”みんな”が競争に敗れた者を無視してたんじゃなくて、新自由主義が無視してたんだ。

「なんだ、そんなことだったのかよ!」

*6

 

適者生存

キューバはアミーゴ(友だち)社会の面があるようで、政府の高官に友だちがいるとやはり優遇した暮らしができるよう。新自由主義ではない、社会主義国だから平等が行きわたっているわけではないとの認識を、現地で若林は得る。

 

そして、日本を発つ前に新自由主義に競争させられていると思っていたが、元々人間は競争したい生き物なのかもしれない。

 

元々、良い服が着たい生き物。

元々、良いものが食べたい生き物。

元々、良い家に住みたい生き物。

 

それは当たり前なのだが、それが「元々、平等でありたいという気持ち」をだいぶ上回っていたというところが、社会主義が「失敗したもの」と言われる所以ではないだろうか。で、競争心に寄り添ったのが資本主義であり、新自由主義だとすると、やはり「やりがいのある仕事をして、手に入れたお金で人生を楽しみましょう!」ということがマッチベターとなるのだろうな。

(2行中略)

「丁度よい言い訳を手に入れにきたのになぁ」

 *7

 

若林は「うしろめたさ」を持っている。凄まじい葛藤と、片頭痛を従え。この「うしろめたさ」こそ、彼のパーソナリティーを信用する肝なのだ。程度は違えど。たとえ云億円の年収があったとしても。

 

分かれ道

 

物質的な豊かさと幸福感はそこまで比例しないという「見切り」は「自信」の代用品になるような気がする。*8

 金持ちが「世の中金ではない」と言うのと、

貧乏人が「世の中金ではない」と言うのは、

違う言葉になってしまうのだ、おそらく。

 

(エアコンが欲しければ、競争の中で勝ってエアコンを手にすればいいんだよ。それ以上でも以下でもないよ。言い訳をするな。もしくは・・・)

「もしくは?」

(エアコンを持っていないことを、持っている人に笑ってもらえば無敵だよ)

「・・・・・・なるほど」

*9

 

 

 

(選べ)

「選ぶ?」

 

(どうすんの?)

(どうすんだよ!)

(てめえの舌は2まいあんのか?!)

 

「え~、まだ、自分、中2なんで、よくわかんねぇっす」

 

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『社会人大学人見知り学部 卒業見込』。

数年ぶりに再読して気づいたこと、

カバーを外すと、イケメン感炸裂の若様に会える。

 

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 ↑

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

「あとがき 東京」だけでも読んでみてください。

西加奈子感があって好き。

 

引用:

*1『社会人大学人見知り学部 卒業見込』若林正恭p19

*2『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭p74

*3ヤフオクの「チェゲバラ ポスター」検索の出品者の画像より転用。

4800円で出品中。

https://auctions.yahoo.co.jp/search/search/チェゲバラ%20ポスター/0/

*4『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭p27より孫引き

*5 *4同書p31

*6 *4同書p32

*7 *4同書p149、150

*8 *1同書p178

*9 *4同書p28