品貧生活研究所

神奈川県横須賀市汐入町の谷戸(自動車の入れない階段を200段登る)における、「品」と「貧」の共存を目指す生活を研究し、その成果を報告する在野機関。研究所にカフェの併設を目論む。

飲み会レポート:台風と対偶と遭遇

台風の夜。中央のKカフェにて寄り合いお食事会(飲み会)。台風の影響もあり、遠方の方々は残念だが来られなかったり、早びけなどで、皆さま横須賀民であった。対偶・・・②たぐい。なかま。【広辞苑第7版より】。皆さま、階段を200段登って廃屋(我が家)を見学・修繕に来てくださるたぐい(変人)の人々で、失礼でなければなかまと呼称させていただいてよいと自分では感じている。バーの常連さんから聞いた話→「格式の高いバーの扉が重く、重厚なのにはワケがある。勇気を出してその重い扉を開いて、入って来てくれたその人を、辛く騒がしい外界からしっかりと守るためだ」。行為がすべて代償を期待するものであるならば、うけてたとうと思う。200段登って来てくれるという行為の借りをしょいまっしょい。借りは直では返さなくてよい、恩は次の人へ贈れ、次の時代のまだ見ぬ人間のために返せという、正解は最もだし、そう心がけている。関係性をイーブンにしては、関係性が継続しないということだ。「ペプシコーラを下さい」「160円です」「はい、160円」「ありがとうございます(サヨウナラ)」。コンビニエンスな関係性はもう止めた方がよい。そういうのは東京に全部しょい込ませ、都民に全部押し付ければよい。原子力発電所を地方に押し付けるように(社会派!)。だが、代償を返すことで関係がチャラになってでも、守るに値する行為が僕はあると、好み、信ず。刹那、必殺、堕落風・・・。畢竟、酒を飲むと「せいとし」の話になる。生と死。性と詩。生徒・師。

 

*Ⅰ『おれたちはそれだけ長いあいだかかってやっと気づいたんだよ。人生の目的は、どこのだれかがそれを操っているにしろ、手近にいて愛されるのを待っているだれかを愛することだ、と。』

 

過去の自分を、相手に投影し、愛でる。過去、自分が愛されたかった時に愛されなかったもういないその時の自分を相手に見立て、愛し直す。愛されるのを待っている周りの「誰か」をフィルターにして、自分で自分を愛してやる。相手の表層を見ずに、その裏側に見出すは自分の都合。浅ましくも哀しい人のサガ(僕は福岡県出身です)。ミスターチンのように、今、この瞬間だけを生きられれば。

 

過去の話になる、酒を飲むと。過去の吐露。過去はどうだった、こうだった、よかった、よくなかった。

 

カッコー・カッコー・カッコー

 

*Ⅱ『いま目の前に映る全景を愛でるように、この一瞬にすべての時間を見るということ。それが偶然の愛し方だ。いまこの一瞬が人生のすべてである。それが歓喜であろうと苦悩であろうと、あるいはつまらない平穏であろうと、この一瞬が全てである。偶然を—この偶然に満ちた生を—愛するということは、この一瞬を愛するということだ。』

 

一瞬に生きられないから、みんな大変で苦しいんだよ!

みんなロックンロールスターみたいには歌えないんだよ!

 

瞬間が全てであるならば、その一瞬には過去も内包されている。だから、過去の作り変えは可能である(と信じられる)。上記のような、相手を必要とする代償行為「愛」もまた、有効なのだ。過去の解釈は、今、この瞬間にも変更できうるということだ。それは、つまり、死ぬ瞬間まで人は変われる可能性を生命体の中に内包しているということ。先週のΩの人たちだってきっと(社会派!!)

 

残酷。

 

「生きる遺伝子」に組み込まれている。どこのだれかがそれを操ったのかしら。

 

要するに生きうることは困難で、問題は限りなく個人で解決する以外に方法はない世の常(生誕ルール)だから、愚痴って、弱音・悩みをはきはきと吐き、涙して、傷を舐め合って、慰め合えばよいと私は想う。

 

少し勇気を出して、重い想いのドアーを(実際は引き戸だが)開けると、やさしい保護者たちがいて、過去に光が射した。僕は、思い出すことができた。しかしその光はもともと僕の内にあったもので、忘れていただけなのだ。頭に100万ボルトの電気を流して、「過去」を忘れてみたい、つらい思いを消してしまいたいという人の気持ちは分かる。でも、それを、それに類することをしてしまうと、失われる大事なものがある。取り返しのつかないことがある。だから、電気帽子をかぶる前に、人に話してみると良いと僕は思う。たしかに、ジーンと頭に、心に光が流れるから。

 

*Ⅰ:カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』より引用。『みんなのミシマガジン秋2017』、P163、164、下西風澄、「文学のなかの生命」より孫引き。*Ⅱ:『みんなのミシマガジン秋2017』、P165、下西風澄、「文学のなかの生命」より引用。